若尾先生コラム
情報化社会における変化は著しいもので、4Gが出たかと思えば、5Gが登場し、今は6G技術の開発が進んでいるとのことです。10年前ではこれほど世の中にスマホが浸透する時代になるとは誰も想像できなかったでしょう。世の中が情報で溢れ、生活が便利になる一方で多くの問題も露見してきました。その一つがS N Sで見られる誹謗・中傷です。それが原因で自ら命を絶つ方も度々ニュースで取り上げられます。見ず知らずの人をSNS上で集中的に吊し上げる様子はまるで中世に行われていた魔女狩りのようで、恐ろしく思えます。
ルネサンス期における三大発明とは「火薬・羅針盤・グーテンベルクの活版印刷技術」と言われています。当時の人々の生活や社会ルールさえも覆すような多大な影響を与えたものですが、その裏では闇の部分も多くあります。印刷技術の恩恵を最初に受けたのは、なんといってもキリスト教です。グーテンベルクの活版印刷技術で刷られたグーテンベルク聖書はキリスト教の布教に莫大な影響を与えました。しかしその一方で「魔女に与える鉄槌」という書物も増刷を繰り返し当時では3万部を超えるベストセラーとなっており魔女狩りのハンドブックのように扱われました。その結果多くの犠牲者が出ましたが、現代ではどうでしょうか。この当時に流行していたペストが現代では新型コロナウイルス 、印刷技術がスマホやSNSだとすると構図が似ています。
便利な道具や発明というものは影に隠れて不幸になる人がいることを忘れてはいけません。あの発明王のエジソンですら交流送電方式へのネガティブキャンペーンの為に電気椅子を作ったというのは有名な話です。
スマホやSNSがもたらした情報が氾濫している現代において、自分のたった一言の心ない発言や投稿が他人を傷つけ、それは命に関わることだということを肝に銘じておく必要がありそうです。
さて、同窓会ホームページのリニューアルはスマホやSNSの普及の影響を大きく受けておりますが、その影に隠れて不利益を被る人がいてはなりません。歯科医師の平均年齢は年々上昇傾向で当然同窓会も同様の傾向です。スマホやパソコンと縁遠い会員の方が情報弱者とならないように、そして充分な情報の提供ができるよう本部としてはしっかり対応していきたいと思います。